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愛されジョーズ

music writer 上野三樹

ファンタジーの壁を突き破る、絵本『リサとガスパールにほんへいく』。

娘3歳がNetflixで好んで観ているアニメは『ろばのトコちゃん』、『うっかりペネロペ』、『ぼくチロ!』、『ふうせんいぬのティニー』など色々とあるのですが、中でもお気に入りは『おさるのジョージ』と『リサとガスパール』。この2作は図書館で絵本も借りてきて読んでいるほどです。アニメでは『おさるのジョージ』に出てくる動物たちの鳴き声がファニーだったり、『リサとガスパール』のまるでサンバのようにド派手な主題歌が聴けたりするのですが、絵本にはまた違った良さがそれぞれにあります。特に『リサとガスパール』は油絵のようなタッチで描かれているイラストが味わい深く、また、彼らはパリジェンヌなので遊んでいる街の雰囲気も何だかお洒落です。さすがアニエスベーとコラボするだけあります。

先日『リサとガスパールにほんへいく』という本を見つけたので読んでみたのですが、これが傑作でした。ある日、リサとガスパールがパパとママと一緒に日本にやってくることになったのですが、そこでおそらく京都を観光していると思われるシーンで日本人の「フクシマさん」という方が彼らを案内してくれます。メガネをかけていて身なりもちゃんとした礼儀正しい男性です。しかし「フクシマさん」はリサとガスパールによって大変な事態に巻き込まれてしまうのです。このまさかの出来事がまず最高に(シャレにならなくて!)面白いのですが、それでもリサとガスパールにとっても優しい「フクシマさん」の対応に心打たれます。日本人の誇りです(笑)。

絵本『リサとガスパールにほんへいく』の可笑しみは、彼らが「かわったにおいがするおべんとう」と日本食をおそるおそる食べたりするシーンもさることながら、『リサとガスパール』の世界に「フクシマさん」が加わることで(日本人である私たちにとって)急にリアリティが増すところではないでしょうか。彼らがセーヌ川のほとりで絵を描いているおじさんの邪魔をするような場面があっても、それは全然ファンタジーの範疇だったのに、お寺の中で「フクシマさん」が無理矢理スリッパをはかされたリサとガスパールの写真を撮ってあげている場面は何ともシュールにファンタジーの壁を突き破ってしまいます。そんなところも面白くて、最初の2〜3回は娘に読み聞かせてあげる時に笑いがおさえきれませんでした。

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