愛されジョーズ

music writer 上野三樹

つばきの一色くん。また会いたいな。お別れの会って何ですか。

つばきの一色德保さんが脳腫瘍のため、5月9日に亡くなられたそうです。

ニュースを見ても、こんな風に文字にしてみても全く実感が沸かなくて、虚しさや悔しさで心がいっぱいになります。新宿LOFTで行われた主催イベント「正夢になった夜vol.18」でライヴを観させてもらい、翌日にインタビューさせてもらったのが今年1月の下旬のこと。そこからバンドを活動休止して治療に専念し、最近では自宅で療養されているという話を聞いていたのですが。37歳、あまりにも早いお別れです。

一色くんの作る曲は、人懐っこさと同時に、誰にも触れられないような孤独感を含んでいて。それが、つばきというバンドのロックそのものでした。

衝動が持つ真っ直ぐな美しさや、切なくてどうしようもない夜や、誰かを想う柔らかな気持ちが詰まった楽曲は、たくさんのリスナーの心の宝物みたいな存在だったはず。

小さな希望を探して、前向きな想いをひたむきに歌うその姿と、病気になってからも弱音を吐かずに冗談ばっかり言いながらがんばっていた一色くん。たくさんのミュージシャン仲間やファンに愛された人柄は、これからも忘れることはないです。

「またインタビューの記事を書いてもらえるように、がんばります」って言ってくれてたのに、最後になると思わなかったよ。まだまだ形にしたいメロディや鳴らしたい音がたくさんあったと思うけど、またいつか、会った時に聴かせて欲しいな。

11日にお別れの会に行ってきます。