愛されジョーズ

music writer 上野三樹

今日こんな曲/DAOKO×米津玄師『打上花火』

昨日の夕方の大雨は本当にひどかった。辺りが真っ白になるくらいの豪雨で、凄まじい音量で雷が鳴って、自宅もほんの数分だったけど停電した。多摩川では花火大会が予定されていたそうで、中止になった時の様子がニュースで放送されていたけど、場所取りをしながら花火大会が始まるのを待っていた人たちが雨に打たれる姿はかなりかわいそうなものだった。でもどうして人は、さんざん雨に打たれて雷が鳴っていても、この時が過ぎ去って花火大会が始まることを信じてしまうんだろう、とふと思った。傘が風に振り回されながら、必死に浴衣の裾を押さえながら、それでもその場を離れようとしない人が多かったのだ。「花火大会は中止です」のアナウンスを聞くまでは。

浴衣を着て家を出るときは想像もしなかった光景が目の前に広がっているであろうのに、その渦中にいると、自分がどんな状況に置かれているのかを客観的に判断することが難しくなるのかな。自然災害の時の避難とか、ちゃんと身を守るために気をつけたいところです。みんながこうだから、きっと大丈夫だろうと、油断しがちって言うしね。そして、あの時すごい雨で結局、花火も見れなかったね、ということだって後になってみれば強烈な思い出になる。

映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の主題歌『打上花火』は今年の夏ソングとしてヒットしそう。試写で見させていただきましたが、このアニメ映画も「ただ花火大会に行く、それだけなはずだった」ある一日の物語。いつの間にか辿り着いた壮大な景色の美しさと奇妙な世界観にハッとさせられる作品です。

 


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