愛されジョーズ

music writer 上野三樹

雪が降って、Clubhouseが始まった。

前回のブログから1週間、というスパンなので、今週あった出来事を。まずは28日の木曜日、東京に雪が降りました。しかも大粒の雪がすんごい勢いでずんずん落ちてくる。その様子を見て「散歩に行きたい!」と誘ってきた娘と一緒に、空に向かって口を開けてパクリ!(多分、不衛生なんだと思うけど笑)行列のできるかき氷屋の削りたての氷みたいに、ふわっふわな雪が塊でガンッと口に入ってくる感じを楽しみました。

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*雪が、デカい。 

それから今週は、音声配信のみの新たなSNS、その名もClubhouseが日本で急速に広まりました。文章や映像はなく、声だけでそれぞれがルームを作って何人かで雑談し、それをみんなにリアルタイムで聞いてもらい、アーカイブはなし。招待制なので、誰かに招待されないとアカウントを作っても参加することができないという状況も、みんなの気持ちを煽ったのかメルカリではClubhouseの招待枠が1万円近くで販売されるという事態に。何より、コロナ禍の中で「雑談」というものに人は飢えているんだなーと感じました。ほんと、普段生活を共にしている人同士以外とは、どうでもいいことを人と話す機会って日常の中でかなり減りましたよね。例えば私が普段しているアーティストのインタビューでも、会えばインタビューの前後に世間話的なことをしたりするんですけど、Zoom取材だとなかなかそうはいかなくて「ではこれで終わりになります」「はーい、ではまた!」みたいな感じで終わっちゃう。道で知り合いに偶然会っても、わざわざ声をかけて話しこむことを遠慮しちゃうことだってあるじゃないですか。お互いにマスクしてるしね。そういう細かいフラストレーションが溜まりに溜まった上での雑談欲求がClubhouseで爆発している気がします。Twitterの時もそうでしたが、SNSが急速に広まっていく時って、妙な高揚感があって面白いですね。今はかなり初期段階だからか、みんなフォロワーを増やしたいらしく「相互フォローのための無言部屋」なんてルームもたくさん立てられています。何も話さず、ただそこに集まった人たちでフォローし合うようです。Clubhouseでルームを作りながら話さないというのは、Twitterで言えば何も書いていないのに投稿している、Instagramで真っ白い画像だけをひたすらアップするみたいな感じでしょうか…。そこで「ミュート部屋の乱立が、サービスの価値を毀損する話」みたいなルームが出てきたりだとか、みんなどうやって使うか探り探りな感じで、しばらくしたら落ち着いてくるのかもしれないですが、今はとにかくカオスです。しかし「広瀬香美の発声練習ルーム」とか著名人の方の面白いルームもあるので時々覗いてみています。今こうして雑感を述べていますが、ひとつ注意しなければならないのが、Clubhouseで行われている会話を録音したり文字起こししてテキストにしたりするのはNGという規約があります。「オフレコを他で話すな」というのが参加者全員のルールだそうです。へぇ〜。なので面白い話を聞いても、迂闊に書けない。芸能人の方で参加されている方もたくさんいますが、言っちゃいけないことを言っちゃう人もいるだろうし、今後は事務所が所属アーティストのClubhouseを禁止したりなんてことも大いにあるでしょう。実際に有名な芸能レポーターが参加して聞いているそうですし、もちろん、そこでの話をテレビで話したりすることはできないというルールなんですが、そこからスキャンダルが漏れたりなんてこともありえますからね。

私もご招待をいただきまして使ってみてはいるんですが、まだ一度も声を発してはいないです(笑)。聞いてるだけ。だってClubhouseが盛り上がってるのって、夜〜深夜にかけてで、なかなか話すテンションじゃないことも多くて。でも、Clubhouseを使って、親しい人たちと楽しいことやりたいなと企画中です。

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*私のClubhouseのアカウントです。喋る時は聞きにきてください!

 

 

久しぶりすぎるブログ(生きている 音がする)。

前回の記事、去年の5月でした。読み返してみると、緊急事態宣言で変わった日常の様子にしみじみしていたり、自粛疲れなんて言葉があったり、こんなことはすぐに終わるだろうと捉えて前向きに生きていこうとする気持ちが感じ取れました。自分が書いた文章だけど、何だか新鮮だったというか、そうか、これがまだまだ続いて、第2波、第3波と続いて、年が明けて2021年にまた緊急事態宣言下の東京に生きているなんて思いもしなかったんだよな、と。

まあでも本当に、悲観的とまではいかないにしても、うっすらとした不安がずーっと続いている感覚がある。そんな中でも、個人的には、この(ブログを書いてなかった)間は仕事をしたり、大学の通信部で心理学の勉強をしていたり、韓国ドラマにハマったり、最近はストレッチやピラティスを始めたり、ゆるくグルテンフリーな食生活で健康に気を使ってみたりして日々を過ごしていました。

特に大学の勉強は、コロナに関係なく通信だから全てメディア授業(録画されているもの)なんだけど、現役の時に短大に数ヶ月しか通ってなかった私にとっては40代になって真面目に受ける授業は本当に楽しくて。専攻の心理学はまだ1年だから基礎的なものだけど、他に仏教とか社会学とかジェンダーとか色んな科目を学ぶたびに「私よくこんなことも知らずに生きてきたなー」と思うことがあったり「これは40代の今だからこそわかるな」と思うことがあったり。高校までの授業って割とカリキュラムが決まっててそれを満遍なくやっていく感じだと思うけど、大学の授業は教授の興味がある部分をピンポイントに掘っていたり、キャラ全開で偏った進め方をする人が多くて(私の大学が特にそうなのかな…)、そういうところも新鮮で。こういう世界を私は知らなかったなー、と実りの多い時間です。

とはいえ、春に休校で娘が小学校に通えなかったり、そもそも大学での勉強の仕方がわからなくて手間取ったりしていて(レポートの書き方とか!)、そうしているうちに秋になり、単位を全然取れていなくて焦ったんだけど、年末にかけて巻き返して、そこそこ単位を取って1年目を終えようとしているところです。この調子で少しずつ勉強を積み重ねて行きたいなぁと思ってます。

去年はコロナ禍で音楽業界もかなりの打撃を受けましたが、そんな中でも年末の松任谷由実さんをはじめ、あいみょんさん、坂本真綾さん、JUNNAさん、藤原さくらさん、吉澤嘉代子さん、竹内アンナさん、ちゃんみなさん、Awichさん、miletさんといった女性アーティストや、スキマスイッチUNISON SQUARE GARDENやリュックと添い寝ごはん、OmoinotakeやKALMAといったバンド系までたくさんのアーティストに取材させていただきました。コロナ禍でライブができなかったりする日々の中で、しばらくは曲が書けなかったと言っていた方も多かったです。でも今年に入ってからは特に、そんな今だからこそ生まれた音楽がたくさん届けられている気がしていて、心強く感じます。

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*Zoom取材もまだまだ続きそう*

やっぱりポップ・ミュージックは時代を反映するものだし、着たり食べたり住んだりするものではないけれど、生きていく力をくれる大切なものなのです。それだけは間違いないんだと信じられる人に、彼らの音楽がちゃんと届きますように。また近いうちにブログを書きます。

〈生きている 音がする〉ーーBase Ball Bearの新曲「ドライブ」

youtu.be

“おうち時間”どうでした?ありましたそんな時間?

お父さんが公園でボールを投げて、息子がバットを構えて打ち返している。先日、そんなよくある光景を見かけた。しかしそれはよく見ると「よくある光景」ではなかった。お父さんが投げているのは実はボールではなくバドミントンの羽根で、息子はそれを器用にバッドで大きく打つと、なんとお父さんの背面から数メートル離れた後ろ側に、バドミントンのラケットを構えた娘さんがいてそれを華麗に打ち返すのである。何ともお見事。おそらく、リモートワークで体がなまってきた父親と、休校で部活も出来ない野球部の息子さんと、同じくバドミントン部の娘さんが、共に体を動かすために考え出されたチームワーク抜群のシステム。2020年の春はコロナ禍であっという間に失われてしまったけれど、そんな光景を見れたことはささやかながら何だか得した気分だった。少し外を歩くだけで、縁側で娘さんに髪を切ってもらっている御婦人の姿や、庭にテントを張ってキャンプ気分を味わっている子供と母親の姿とか、普段だったら見られなかった日常がそこかしこに溢れていた。

うちの子供の小学校で入学式がかろうじて行われた翌日、4月7日に緊急事態宣言が出されてからの完全自粛モードの日々が、ようやくひとつの出口に差し掛かっている今日この頃。毎朝、家族全員で体温を測ること、ラジオ体操をすること、新聞を読むこと、そんな新しい習慣がいくつかあった。小1になったばかりの娘は、学校に全く通えないまま、なわとびができるようになり、自転車にも乗れるようになった。一番びっくりしたのは、入学前に用意した体操着を着せてみると、もうサイズが小さくなっていて、パツパツで自分で脱ぐことが出来なかった。これにはショックと同時に、家にいてばかりだったこの2〜3ヶ月でも子供はかなり成長しているんだとひしひしと感じた。

とりあえず6月からは(早ければ今月末からは)東京でも少しずつ「新しい日常」とやらに移行していく様子。まだまだ色んな問題が山積みだし、そもそもみんなさんざん自粛疲れ(特に休校中の子供がいながら仕事をしていた人たちおつかれさま)していると思うので、ゆっくりペースで、やらなきゃいけないことも楽しいことも、取り戻していきましょう。結局、なんだかんだで「おうち時間」的なのんびり優雅な時はあんまり過ごせなかったなあ。

 

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ひとまずビールでも飲も…

入学式と緊急事態宣言とZoom取材。

ゴールデンウィーク明けまでの休校が決まっている中で行なわれた、娘の小学校の入学式。そして翌日には遂に緊急事態宣言の発令と慌ただしい日々。でもまぁ「セルフロックダウンしよーう!」とか言ってたわけだし、緊急事態宣言を言い渡されたほうが腹を括って家にいることができる。休校とはいえ小学校では「保護者の就労などの都合でやむを得なく児童が自宅にいるのが難しいご家庭のみを対象」とした受け入れがあって、朝からお弁当と参加票を持たせれば昼過ぎまで預かってくれます。その後は学童クラブの子供たちのみ、新入生は学校まで学童の先生が迎えに来てくれて、そのまま学童で預かってくれることに。学校と学童が連携プレーを展開するのはほんとに珍しいことっぽいけど、1年生は小学校から学童クラブへの移動や、ひとりで帰宅することも、まだ練習していないので本当にありがたい。

 

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*いざ入学式へ!写真を撮りながらのんびり歩いていた後に、ランドセルを忘れたことに気づきました…。

 

私も入学式の翌日は取材が入っていたので、やむなく登校させようかと思っていました。でも取材場所のレコード会社が外来者の訪問禁止となり、では出版社でやりましょうとなったけどそちらも同様の理由でNGとなり、結局はZoomを使っての遠隔取材となった。ちなみにこれにより、仕事が完全になくなってしまったのはカメラマンさん……。ある女性誌のエンタメ・ページでのお仕事なんだけど、美術館ネタや映画ネタが休館や延期でほとんど掲載できなくなってしまったため、私がご依頼を受けた音楽リリースのページを号を繰り上げて掲載することになったので締切もタイトになったりして。そしてコロナの影響でそわそわしてうっかりしていたけど出版業界はゴールデン・ウィーク進行に突入していたんですね。何か全体的に締切が早いなと思った……。

 

初めてZoomを使って取材してみてびっくりしたんだけど、アーティストとマネジメント、レコード会社スタッフ、編集者、ライターがそれぞれの場所からオンラインで集いながら、カメラを使って顔出しをしたのがライターである私だけだったこと。他はみんな黒い画面に名前だけ表示されている。これ……戸惑ったよね。音声だけで良かったの?背景とか気にして自宅リビングの白い壁のところでやりたかったから、リモートワーク中の旦那と子供を別の部屋に押し込んだり、綺麗めの服に着替えたりしたのに!なんかちょっと裏切られた気分(笑)。「これ、私だけが映像出る形なんですね」と恐る恐る編集さんに聞いたら「はい、これでお願いします」とのこと。画面越しにでもインタビュイーのお顔を見ながら話せると思ったので、ちょっとがっかり。でも、私の顔だけ出していることにはとても意味があって。相手が話している時に、音声だけだと「はい、はい」とか「そうですね」といった〈あなたの話を聞いていますよ〉というアピールの相槌を声にしなければいけないけど、映像で私の顔が出ていると声に出さずに頷いたり目を見開いたり、ちょっと笑ったりするだけで伝わるので、後で音源を文字にする時に己の余計な相槌が入っていなくて良い。お互いに別の場所にいても全然取材はできる。でも今度からZoomとかでインタビューする時は、誰が顔を出すのか確認しようっと。

セルフロックダウンのすすめ。

1日中、雨が本降りで肌寒かった4月のはじまり。娘はお弁当を持って初めての学童クラブへ行った。初日だし、この時期なので早めにお迎えに行ったら、帰り道で今日あったことを娘はたくさん話してくれた。学童クラブには人生ゲームをはじめ色んなボードゲームやカードゲームがあること、みんなでドラえもんの映画を見たこと、おやつは好きな種類のものだけ選んで食べていいことなど……。帰宅してからも喋ったり歌ったり踊ったりしてはしゃいでいた。いつも以上に元気!幼稚園を卒園してからほとんど家にいて最近は大人としか接していなかったから、久しぶりに友達と(とはいえ初めて会う子ばかりだったと思うけど)遊べてかなり楽しかった様子。やっぱり子供には子供同士のコミュニティが必要なんだな。

 

しかしこのまま日本で1日に200数十人もの新型コロナウイルス感染者が増え続けたらどうなるんだろう。ロックダウンがあるのではと噂されていた4月1日が過ぎ、明日もきっとないだろう。それどころか、今日は安倍首相から「全世帯に布マスク2枚ずつ配布する」というお知らせがあった。これを書いてて思うんだけど、ほんとあと数年経って読み返したら冗談かなと思うようなトンチンカンな政策だと思う。感染拡大の重大局面において国民の大事な命をたったの布マスク2枚で守ろうとする、しかもそれを「この布マスクは洗えますから」などとドヤ顔で表明するあたりの無神経さにはため息しか出ないし、考えるほどに力が抜ける。こんな人が日本という国のトップなんだ。

 

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*ちなみに最近では楽天とかで「マスク」と検索すると、そこそこお手頃な値段&早めの納期のものが(ウレタンマスク含め)買えるようになってきましたのでマメにチェックしてみると良いです。転売ヤー撲滅対策が効いてきているんだと思います。だからこそ「布マスク2枚」は…1ヶ月前ならまだしも…。

 

とにかく周りの大切な人と自分の命(そして最低限の生活)を守るために、国がどう動くかに頼らず、自分で考えて行動することが今の大事なこと。いわば個人個人でロックダウン(都市封鎖的生活)をするべきだと思う。セルフロックダウンという言葉が思い浮かんだが、ググッたら既に使っている人もいるワードだった。散歩程度は毎日して健康維持につとめるにしても、スーパーに行く回数自体を減らすのはいいかもしれない。特に外出自粛要請が出されている日やその前日なんかはスーパーに人が押し寄せてソーシャルディスタンスを取ることが難しくなっているし、スーパーに行くこと自体が1日のメインイベントになってしまいがち。そんな中での感染リスクも考えたほうがいいし、何より、海外でロックダウンが起こった際の、スーパーに人がどっと押し寄せて手当たり次第にカートに物を詰め込んでいる光景、できればあれは絶対にやりたくない。基本的にはロックダウンになってもスーパーには行けるはずだから、その宣言が出された時にパニックにならなくてすむよう、3日〜1週間くらいは買い物に行かなくても何とかなるわという体制で過ごすのがいいと思う。これは買い占めの煽りじゃないよ。買い物に行く時に少しだけ多めに、そして保存の効くものを少しだけ備蓄しておこうという話。例えば、カレーやスープなどのレトルト食品、カップ麺やパスタ、コーヒーやティッシュペーパーや生理用品、冷凍の野菜や缶のフルーツ、パックに入った小さな野菜ジュースなんかも良いかも。そうした品物が今の生活に少しの「安心」をくれるかもしれない。あとは銀行とかも多少手数料がかかってもネットで振り込みをして、今はそうしたシステムを利用していない高齢者とかに窓口やATMを譲るとか、家で過ごす時間のために読みたかった本を買っておくとか、いろいろとできることはある。人々のパニックの波に乗らないためにセルフロックダウンしていよう。あと、家にばかりいると孤独になりがちだから、遊ぶ約束はできなくても友達とLINEなんかで連絡を取り合うと少しホッとしたりします。いやー、それにしても布マスク2枚じゃ、どうしようもないな。まだお肉券とかお魚券とかの方がマシだったかなぁ。

そして4月がやってくる。

今日も東京での新型コロナウイルスにおける新たな感染者数は78人と最多記録を更新。娘のチアダンスで通っているスポーツジムは4月1日から営業を再開します!と意気込んでいるのだが、どう考えても環境が「3密」(人が密集し、密閉空間で、密接して過ごす)なので、悩んだ末に1ヶ月の休会をお願いしようと電話で連絡した。「では、5月からは自動的に復帰ということになりますが、よろしいですか」とだけクールに言われた。その後、リトミック教室からもサッカークラブからも連絡があり、4月の半ばまでお休みとのこと。これだから本当に毎日、気が気じゃないし、先の予定が全く立てられない。ライブやイベント関連も、3月に延期された振替公演が、更に延期となるパターンも多々でてきた。そしてそれ以上に、世の中の空気が3月末の、半信半疑で休校を受け入れたり外出自粛していたムードとは完全に変わったことを感じる。例え、何かしらの集まりが開催されていたとしても、例え、飲食店が「こんな時ですが新しいメニューが始まってますので来てください」と言っても(インスタで見たぞ)、例え、バンドマンが「こんな時だからこそ音楽の力に触れてください、最高の夜にします」と言っても(マジでこの文面、Twitterで見た)、本当に本当に後悔のないように自分で考えて行動しなきゃいけない。もっと言えば、本当に本当に家にいるべき時なのだ。

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*畑の中のスターバックス

とはいえ。明日から娘は学童クラブ。小学校はまだ入学前だけど、学童から先に始まる。娘は家にばかりいて運動する時間が急激に減ったからか、珍しく便秘気味で病院に行ったほど。そうしたそもそもの健康状態も気になるし、私も原稿を書かなきゃいけない。

先ほど、脚本家の宮藤官九郎さんがコロナに感染されたというニュースが。これ以上の悲劇は起こってほしくない。ドキドキすることばかりだけど、睡眠、食事をしっかりとって元気に戦おう。元気でいるために。

しょうゆ、ラー油、アイラブユー。

志村けんさんが新型コロナウイルス感染によるご闘病の末に亡くなった。この信じられないニュースは今日1日、日本中を、そして世界にも駆け巡った。ウイルスという見えない敵と戦いながら状況が日々、深刻化する中で、悲しみは大きなひとつの波になり、多くの人の心を飲み込んだ。 

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志村けんさんといえば、ザ・ドリフターズとしても大活躍された方。私たち世代は『8時だョ!全員集合』が始まる時には、本当に家族全員でテレビにかじりついて、みんなでワクワクしながら見て、笑っていた。そんな幸せな記憶や、あの時代の「お茶の間」であり「家族団らん」というものをたくさん生み出してくれたコメディアン、それが志村けんさん。ドリフ育ちな私たち世代は、スイカは超高速で種を飛ばしながら食べ、ヒゲダンスを踊り、「最初はグー」とくれば「またまたグー、いかりやチョー介、頭がパー」なわけだし、「だいじょぶだぁー」が聞こえたら太鼓が3回鳴らされて「ウェ、ウェ、ウェ」とえずくのがお決まりなのである。本当に色んな面白いことを思いついて、楽しませてくれたものだ。「バカ殿」や「変なおじさん」も好きだけど、他にも忘れてそうなものがあるんじゃないかと思って調べてみたら、『志村けんのだいじょうぶだぁ』で子供の頃に大好きだったフレーズがあった。それが「早見優北天佑、しょうゆ、ラー油、アイラブユー」という、いしのようこさんとの夫婦コントで仲直りする時に唱えていたもの。見たことない人にはこれがどんな面白さかわからないだろうけど、例えば家族で誰かがちょっとひどいことを言った時なんかに「そこまで言う!?」から始まって「早見優北天佑、しょうゆ、ラー油、アイラブユー」と一緒に言えば、互いにたちまち笑顔になってしまうようなものだった。志村けんさんは家族円満をもたらした神でもあった。いつもいしのようこさんが志村けんさんに「明日は何時に起きるの?」と聞いて「ご、ご、ご、5時!?」って過剰反応するお決まりのパターンも大好きだった。色んな芸が生まれた背景に、実際にモデルとなった人物がたくさんいたという話をきくと、志村さんは人間観察や人間そのものが好きなんだろうなって思った。だからこそ人間味のあるバリエーション豊かな芸が生まれ、多くの人に愛されたんだろう。 

今後も朝ドラや映画や、そして聖火ランナーなど様々な予定があったという志村さん。もっともっとお仕事がしたかっただろうと思うと、やりきれない想いでいっぱい。今まで笑わせてくれて、そしてたくさんの笑顔の思い出をありがとうございました。これ以上、事態を悪化させないために。私たちに今できること、今すべきことは何だろう。より一層、考えながら過ごしていきたい。