今日こんな曲/HYUKOH(ヒョゴ)「TOMBOY」
最近聴いている曲や気になっているアーティストを紹介していく「今日こんな曲」シリーズをはじめてみます。私がここ数日よく聴いているのは韓国のロックバンドHYUKOH(ヒョゴ)の「TOMBOY」。
1993年生まれの同級生で結成された韓国の4ピースバンド、ヒョゴ。2014年の秋にデビューし、韓国の若者たちから絶大な支持を受けており、日本でも昨年サマーソニック2016に出演。6月7日にアルバム『23』の日本ライセンス盤が発売されるそうです。個性的なファッションや佇まいから「韓国のSuchmos」なんて紹介されたりもしたみたいですが、色んな楽曲を聴いてみるとどうやらそういうものでもなさそうな気が。韓国の多くの若者たちが抱えている社会への不満、就職難で色んなことを諦めながら生きている背景に彼らの率直な音楽が響いたようです。アルバムのタイトルは同級生である自分たちのその時の年齢で『20』『22』『23』などと続いており、もし音楽がウケなくてもジャケットを並べただけでも価値が出るようにと同じイラストレーターを起用しているところなども、何だか親しみが持てるというか、ロックバンドとして支持されるところなのかなと思います。
「TOMBOY」はヒョゴの楽曲の中でも、日本人にも通じるワビサビを感じさせます。何より、歌詞に込められた想いが韓国語でもじんわりと伝わってきます。
(訳)
私、母さんの変わらぬ愛が気まずい
だからそうなのかな、いつも難しい
失うのが怖かった欲のなかにも
小さな可愛らしさはあった
今は幸せ だからかえって不安
嵐の前の海は いつも静かだから
火がついて燃え上がったら いけないじゃない
私は 愛を応援する
小さな温もりを握りしめて、不安ながらも毎日の中で希望を持って生きようとする全ての人のための癒やしになるような歌です。だけどサビの部分のスケール感がスタジアム級の会場で聴いても気持ちよさそう。そんなイマジネーションを抱かせてくれるのも、ヒョゴというロックバンドの魅力と可能性なのでは。