愛されジョーズ

music writer 上野三樹

山Pかっこいいという洗脳がすごかった。

ドラマ『コード・ブルー』、終わっちゃいましたね。皆さん見てましたか。私は前のシリーズとか一切見てなかったんですけど、今回見て、すぐにハマッてしまいました。まず目に飛び込んできたのは、走ってヘリに乗り込んでヘッドセットを着ける時のかっこいい山P。あまりにも過酷な現場の数々、そこでキコキコと器具を使って負傷者の頭を開けまくるかっこいい山P。まだヘリに乗ることや現場に慣れていないフェローたちのぎこちない対応に、すかさず的確なアドバイスをクールな顔でつぶやくかっこいい山P。みんなに頼りにされているのにどこか自信のないガッキーのリーダーシップをさり気なく支えるかっこいい山P。そう、脚本の全てが「山Pかっこいい」と視聴者が恍惚の表情を浮かべるために作られていたと言っても過言ではない『コード・ブルー』。主要キャストだって、一緒にトロントかどこかに行くのを目指してたエリート先生役の安藤政信さんですら何だか情けない役どころだし。更に『逃げ恥』『大貧乏』『人は見た目が100パーセント』ときて、若手俳優としてここが大事!なタイミングの成田凌さんでさえ全然輝けない役で・・・。このドラマの全てが仏頂面のまま燦然と輝く山Pかっこいいの瞬間を生み出すために配置されていた。しかし、そこが良かったんです。ああ、これってそういうドラマなのね、と気付いてからは、更なる「山Pかっこいい」ポイントの高みを探しながら、その瞬間が訪れたときには全力で噛み締めながら見るのがとっても楽しみでした。なので最終回までの一週間は崩落現場で山P助かるのだろうかと気が気じゃなかったけど・・・瓦礫の中から土砂を跳ねあげながらバーンッと出てきて、すぐさま仲間に「大丈夫か?」って言った瞬間ね。さすが山P以下略。視聴者のこの一週間の心配が吹き飛んだってものですよね。ラストは「俺はあの頃、自分のために医者をやっていた。でも今はそうじゃない。お前たちのおかげだ」の台詞でクライマックス。最後までありがとうございました。もう完全に洗脳されましたので映画も絶対観たい所存であります。

フレンチトースト戦争。

連休最終日の今日は、朝から娘がフレンチトーストが食べたいというので、作ってあげたら「パパのフレンチトーストの方がいい!」と言われてしまった。食パンが1枚しかなかったから、卵1個と牛乳少しにきび砂糖で味付けをした液に浸して、バターで焼いて。ちょうどいい感じの焦げ目もついた、私にとっては完璧に美味しいフレンチトーストだったのに。旦那に食べさせてみてもイマイチだったのか「卵何個つかった?」と聞かれる始末。旦那の作るそれは、卵多めで焼き加減も私が作るものよりゆるくて、おまけに仕上げに白砂糖をふりかける。砂糖のジャリジャリ感がいいらしいのだが、そもそも浸してある液の中にも砂糖がはいっているのだし、糖分の摂りすぎだと思う。

ホットケーキとかと違って、フレンチトーストって作り手によって、だいぶ違いの出る食べ物だよね。あんまりパンを液に浸さない派の人とか、あんまり焦げ目を付けない派の人とか、前の日から液につけて冷蔵庫で寝かせておく派の人とか、色々いるはずだよね。しかし「パパのフレンチトーストがいい!」と言われたら、もうそこで試合終了なのである。私はもう二度とフレンチトーストを作ることはないだろう。パパの料理担当が増えたので楽だな〜と思うことにしよう。悲しみー!

「岩里祐穂×森雪之丞 -Ms.リリシスト〜トークセッションvol.4-」作詞家同志だからこそ、わかること。

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9月9日の土曜日、作詞家の岩里祐穂さんにお誘いいただき「岩里祐穂×森雪之丞 -Ms.リリシスト〜トークセッションvol.4-」に行ってきました。昨年の5月に作詞家デビュー35周年を迎えられた、岩里祐穂さん。それを記念して発売されたアルバム『Ms.リリシスト』のブックレットで私は、坂本真綾さん、中川翔子さん、花澤香菜さんとの対談司会のお仕事をさせていただきました。

このアルバムのリリースを機に、様々な作詞家とのトークイベントを行っている岩里さんですが、高橋久美子さん、松井五郎さん、ヒャダインさんに続き、第4回目となる今回のゲストは森雪之丞さん。

森雪之丞さんは1976年に作詞・作曲家としてデビューされて以降、誰もが知っているアニメソングやポップソングのヒット曲の数々を手がけ、90年代以降は布袋寅泰さん、hideさん、氷室京介さんなどロック・アーティストからの信頼も厚く次々と新しい時代を切り開くような名曲を共に生み出してきた方です。岩里さんにとってトークイベントのゲストとしては初の先輩にあたる方ですが、80年代から今まで、作詞家として共に第一線を走り続けているおふたりならではのトーク。それぞれの作詞へのこだわりや同じ作詞家同志だからこそわかりあえる情熱や大変さも垣間見える、とても刺激的な時間でした。

まずは岩里さんいわく「褒め殺しコーナー」ということで、相手が作詞したものの中から好きな曲をチョイスして、スクリーンにその歌詞を映し出しながら解説したり質問をぶつけたりしていきます。まず最初に岩里さんが選んだのは1999年にリリースされた布袋寅泰さんの「バンビーナ」。岩里さんはこの歌詞を「ギリギリにエロティックなワードとキュートなワード。そのバランスが絶妙で下品にならない」と絶賛。

容姿は幼稚で陽気な様でも

酔うと異様に妖艶なヤツ

ロリータ・ウインクでキャンディーねだって

娼婦の唇でしゃぶってみろよ


「バンビーナ」

軽快な言葉遊びで韻を踏みまくる歌詞がロカビリーっぽい曲調にすごくはまっています。更に岩里さんが「ここが最高!」と言った部分が〈退屈するとちゃんと浮気する 小悪魔BAMBINA〉。ただ浮気するのではなく、〈ちゃんと〉浮気するのだ、と。これは森さんもかなり気に入っている様で「そうなんだよ!」と嬉しそうでした。確かに、この女の子の奔放な魅力や、主人公との関係性がチャーミングに感じ取れる一節です。 

次に森さんが岩里さんの作品の中で好きな歌詞として挙げたのは新垣結衣さんの「うつし絵」。これはメレンゲのクボケンジさんによる作曲なのですが、彼がメロディに込めた繊細な心情描写を岩里さんが言葉で浮き彫りにしたような、素晴らしいコラボレーションを感じる1曲です。森さんが「特にここがいいんだよ!」と言った部分はこちら。

明日と昨日 順番がかわり

もしも今日の次が昨日なら

君にもういちど 会えるかな

「うつし絵」

 「君に会いたい」という気持ちをいかに別の表現で言葉にするか、というのが作詞家の仕事だけど、この言い方は岩里さんが世界で初めて見つけた言い方なんだよ。森さんはそんな風におっしゃっていました。きっと、それを見つけるまでの苦しみも、見つけた時の喜びも、作詞家というお仕事の醍醐味なのでしょう。

そんな流れの中で岩里さんはデビュー当時に「キャッチーなものを求められる中で、自分は日常にある上手く言えない気持ちをどれだけわかりやすく書けるか」で勝負しようと思ったそうです。そんな彼女の武器は「キャッチーの裏返し」なのだとか。一方で、森さんは自分のことを「反逆の詩人」と言うのですから、そのひねくれ具合というか、ちょっと似たものを感じます。

岩里さんが次に挙げた曲はBabeの「I Don't Know!」だったのですが、森さんは「バブルの頃だけどお人形のようなキラキラではなく彼女たちを輝かせたい、世間の風潮には踊らされない2人」をイメージしてこの歌詞を書いたそうです。まさに「反逆の詩人」の仕事なのです。

バーゲンされた 夢のまぶしさに

君は迷う うかれ街のショーウインドウ

だけど 本当に探してるものは

君の胸に隠れてるかもしれない

心で光る 宝石は 

誰もキャッシュじゃ 買えないさ

「I Don't Know!」 

岩里さんは特にサビの〈I Don't Know Lonliness君のLonliness〉と、〈Lonliness〉をリフレインさせることで当時流行っていた洋楽カバー曲のようなテイストを完全オリジナル楽曲で表現していると。更に〈みんなに 愛を配る/天使なんて いないから〉の部分も特徴的だと言う。森雪之丞さんの歌詞には度々、〈天使〉が登場するのだけれど、それに関して「僕にとっての〈天使〉は人をうつす鏡。僕の大事なキャストのひとり」とおっしゃっていました。

次に森さんが挙げた曲は、しょこたんこと中川翔子さんの父親で、シンガソングライターとして活躍されていた中川勝彦さんの「Skinny」。こちらは森さんが〈聞き分けのない肌で 砂浜のオペレッタ〉の部分が特に素敵だと紹介。アルバム『Ms.リリシスト』にも収録されている、岩里さんがまだ作詞家として2年目の頃の作品です。

続いて岩里さんはアニメ『ドラゴンボールZ』のオープニングテーマ「CHA-LA HEAD-CHA-LA」を挙げて、〈顔を 蹴られた地球が怒って/火山を爆発させる〉〈溶けた北極(こおり)の中に/恐竜がいたら 玉乗り仕込みたいね〉といった巨大スケールの発明的名フレーズの数々を絶賛。

CHA-LA HEAD-CHA-LA〉というフレーズを何故思いついたのか?という質問に「あれは普通に日本語を乗せてたら〈バカ おまえは〉くらいしか乗らないんだよ(笑)」と言っていた森さん。日本語はロックに乗らないということに、森さん自身も葛藤していたようですが「桑田佳祐さんがサザンオールスターズの「勝手にシンドバッド」で〈そうね だいたいね〉と歌った瞬間に、日本語ロックの扉が開いたんだよ」と。そこからは日本語でも空気をかきまわせるような言葉を探して作詞をしていったそうです。シブがき隊の「ZOKKON命ーLOVEー」など2文字しか乗らないところに「スキ」でも「バカ」でもなく「ゾッコン」と乗せてみる。そんな斬新な試みから森さんの面白い歌詞は生まれていったようです。

森さんが「楽曲の本質を言葉で言い当てる」と言えば、岩里さんは「音楽をいかに理解できるか。どんな風にパズルを解くか」が作詞において大事だと語る。作詞家志望なのでしょうか、私の隣に座っている青年も熱心にメモを取りながら聞いていました。

そして最後に岩里さんが挙げた3曲目はVANILLAの「愛をちょうだい」。私、この曲のことをすっかり忘れていたのですがスクリーンに歌詞が映し出された瞬間に「うわ、全部歌える!!何だっけ!!」と半ばパニックになりました(笑)。懐かしい。これがもうほんとに強烈インパクトの歌詞と楽曲なんですよね。

ばったりへたばったりくたばったりしてるひも愛をちょうだい

ついたりはりついたりかみついたりやすみなくやってちょうだい

ぶったりえらぶったりとらぶったりするまえに愛をちょうだい

とんだりすっとんだりかっとんだりあれこれとやってちょうだい

世間にはじかれて 爪を噛む男

あなたの唇がたまらない

「愛をちょうだい」

 ちなみに森さんは〈たっぷりおとこっぷりぐらんぷりかくとくで〉のところが気に入っているそうで「ぐらんぷり、だけ名詞なんだよね!」と笑顔。森さんが選んだ、岩里さんのラスト1曲はズバリ、菅野よう子さんとのタッグで制作されたテレビアニメ『マクロスF』の後期エンディングテーマ「ノーザンクロス」でした。

誰か空虚の輪郭をそっと撫でてくれないか

胸の鼓動にけとばされて転がり出た愛のことば

だけど 困ったナ 応えがない

宿命にはりつけられた北極星が燃えてる

君をかきむしって濁らせた

なのに 可憐に笑うとこ 好きだったよ

ノーザンクロス

 岩里さんはこの歌詞を「生理的に違和感のある言葉を並べたかった」「色んな気持ちを熊手でかき集めてぐしゃぐしゃにするような感じ」と解説。森さんは歌い出しの〈たぶん失うのだ〉と〈そして始まるのだ〉の対比も素晴らしいとコメント。

最後に「今日は作詞家志望の方もいらっしゃってるかと思いますので何かアドバイスを」と岩里さんが森さんに尋ねました。すると「僕は詞が書けないからではなくて、詞心があって詞が書けるアーティストからも頼まれるような作詞家でありたいと思っている。90年代、ロックの連中と毎晩のように呑んでいた日々が今の僕を作っています」と話してくれた。更に「自分から何か始めれば、必ず形になりますよ」と。

高校時代にジャックスの早川義夫さんに憧れてロックバンドを結成し、オリジナル曲を作り始めたという森さん。作詞家となり、やがて早川さんに「森くんの歌をうたってみたい」と言ってもらって「天使の遺言」という曲ができたというエピソードも感動的でした。「僕にも憧れがあって仕事をしてきているということを思い出させてくれる曲」なのだそうです。

作詞家という仕事は、コンペもしかり、まず依頼ありきの職業というイメージがありますが、思えば岩里さんも「黄色いTV」という楽曲を今井美樹さんにプレゼンしたことから、後の「PIECE OF MY WISH」などの大ヒット曲が生まれるなど、自ら道を切り拓いていった方です。メロディに合った言葉はもちろんのこと、アーティストが進むべき道を照らしたり、その時々で自分自身が発信したいメッセージをも込めながら、言葉を紡ぐことができる。森雪之丞さんも岩里祐穂さんもそんな作詞家だからこそ、永い間、愛され続けて心に深く刻まれるような名曲を生み続けているのではないかなと思いました。

傳田真央さんによる弾き語りも含めて2時間半!トークイベントとしては長丁場ですが、内容充実であっという間の刺激的なひとときでした。

竹内涼真の呪縛から逃れられない2017年・夏。

朝、テレビをつけると『ひよっこ』で島谷くんを演じる竹内涼真さん。夜、テレビをつけると『過保護のカホコ』で麦野くんを演じる竹内涼真さん。私たちはこの夏、ある大会に強制的に参加させられている。竹内涼真を好きにならずにいられるか、という我慢大会である。

そもそも同時に出演しているドラマの役どころが正反対なのがマズい。実家がお金持ちの大学生で一見、冷たく見えて実は優しい島谷くんは、話し方や動きもおっとりと紳士的で膝に置いた手のひらで何かを語るような、そんな繊細な演技。一方、家族の愛にもお金にも恵まれてこなかった美術系の大学生で一見、冷たく見えて実は優しい麦野くんは、人を突き放すような言葉使いとオーバーアクションで大胆に演じている。「だからお前のその顔は何なんだよっ!」とか言いながらカホコを罵倒する時の、背中の反り具合や宙を舞う指先まで、ついつい注目してしまう。そして正反対でありながら両方のキャラに共通している部分もおわかりの通り、「一見、冷たく見えて実は優しい」というギャップ萌え。そんなん好きに決まってるやつやん。

しかも竹内涼真さんはこの勢いに乗って写真集を出されましたけど、どうやらあの甘めな顔立ちで体はかなり鍛えている様子。これも女性ならドキッとするギャップですよね。しかも、マッチョとなると、「あ〜ね、モテるために鍛えたタイプ?もしかしてナルシストだったりして?」とか思うじゃないですか。違うんですよ、相当、青春時代をサッカーに捧げてきたらしいんですよ、竹内少年は。しかもサッカー選手になる夢を諦めて俳優になろうと決心されたタイミングがあって、そこからはがむしゃらに演技の勉強などをされてきたのだとか。もう完璧ですよね。サッカー一筋だったからモテたけど女遊びしてきてないってことですもんね(←完全に妄想)。

最近はバラエティにも多数、出演されていますが、そこで語られる家族のエピソードもまた、好感度が高すぎで、仕事終わりにお父さんと待ち合わせをしてよくご飯を食べに行くとか、実家の木に集まるカブトムシを弟と世話しているとか、もうヤバいでしょう、もう無理でしょう。Amazonも「あなたへのおすすめ」とか言って、竹内涼真さんの写真集をすすめてきます。わかってる、わかってるよもう、ギブ、ギブ〜〜〜〜!って感じの2017年の夏ですね。

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www.amazon.co.jp

 

 

クロネコポイントで10tトラックをもらったよ。

ヤマト運輸さんで荷物を送ったり受け取ったりするのに便利な会員サービス、クロネコメンバーズに加入している。自宅から荷物を親戚や友人に送ることが多いから、その際に集荷依頼がWEBでできるのが便利なのです。しかもクロネコポイントを集めるとオリジナルグッズがもらえるのが嬉しい。忘れた頃にポイントを見てみると意外と貯まっている。しかし先日、クロネコポイントキャンペーン終了のお知らせがメールで届きました。今年の11月30日でポイント付与終了(グッズの交換に関しては来年3月まで)、なのだとか。というわけで慌ててクロネコメンバーズにログインし、ポイントをチェックすると460ポイント溜まっていたので早速グッズ交換の手続きをしました。以前、250ポイントのクロネコヤマトミニカー・ウォークスルーW号車というのをもらいましたが、今回は400ポイント使ってクロネコヤマトミニカー・10tトラックを選んだところ、早速届きました!!早い!さすが!
ミニカーとはいえ、なかなか重量感があってカッコいいんですよ。後ろの扉も開くので、娘が小さいキャラクター人形をいれたりして遊ぶのにいい感じです。他にもクロネコマークの袋に入ったドーナツが可愛いお菓子BOXとか、グッズに力を入れてたクロネコポイントなので、終わってしまうのが残念です。

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いまさら『魔法少女まどか☆マギカ』を観て思ったこと。

公開中のアニメーション映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』。大ヒット映画『君の名は。』的なものを期待して観に行った人からの評判がイマイチのようである。プロデューサー・企画はどちらも川村元気さんによるものだし、制作サイドも比較されることをわかっていて「でも『打ち上げ花火〜』は3年前から準備してたんですよ、いわゆる二番煎じみたいなものではないんですよ」といった発言を色んなインタビューでされている。私も正直、よくわからないのだ。『君の名は。』はアリで、『打ち上げ花火〜』はナシ、という感覚が。どっちも同じじゃん(←乱暴)、と思ってしまう。

そこでアニメに詳しくないので完全に今さらなのですが、『打ち上げ花火〜』と同じ布陣である新房昭之監督×アニメーションスタジオ「シャフト」による代表作『魔法少女まどか☆マギカ』の劇場版をDVDで観てみた。

美しいアニメーションの世界と、愛らしい個性豊かなキャラクターたち、そして濃厚なストーリー展開で、すぐさま引き込まれてしまう。特に、異世界×異世界をコラージュした悪夢のようなシーンの描写が独特で、初心者にはダークでオルタナティヴな印象を受ける。こういう表現も、新房監督×シャフトのタッグならではなのだろう。『打ち上げ花火〜』でも、物語の中の主人公たちがタイムリープする度に少しずつ景色が異世界へと侵されていくような仕掛けが、このアニメの見どころでもあるのだ。

もしかしたら『君の名は。』を絶賛していた人たち(小学生や中高生)は、過去にジブリアニメや『アナと雪の女王』などを観てきた層で、『打ち上げ花火〜』にはちょっと違和感あるのはこの辺だったりするのかなと。逆に『魔法少女まどか☆マギカ』が好きな人たちが『打ち上げ花火〜』を観ると(それが賛か否かは置いといて)、どんどんディープになっていく世界観にも親しみというか理解があってすんなり楽しめるのでは。

 

打ち上げ花火、『君の名は。』サイドから見るか?

魔法少女まどか☆マギカ』サイドから見るか?きっとそれが問題なのです。

奄美の島唄と共に紡ぐ、映画『海辺の生と死』

第二次世界大戦末期の奄美群島加計呂麻島(かけろまじま)を舞台に、海軍特攻隊の隊長と、国民学校教師である女性との激しく切ない恋愛を描いた映画『海辺の生と死』を観てきました。永山絢斗さん演じる朔隊長と満島ひかりさん演じるトエ先生が、出会って恋をして、常に死と隣合わせである日々の中で、互いを強く抱きしめ、戦争を憎み、壮絶な覚悟を持って愛し合う様が、島の大自然と共にスクリーンいっぱいに伝わってきました。

トエ先生と子供たちとのやり取りは、とても心温まるし癒されます。そしてまた、朔隊長も子供たちが大好き。兵隊たちが勇ましい軍歌を大声で歌っているのを横目に、「あんな歌よりもこの島の歌をたくさん覚えたい」と言うのです。そうした全く隊長らしくない優しい人間性にトエは惹かれていったのでしょう。

沖縄育ちであり、ルーツは奄美大島にあるという満島ひかりさん。彼女が島唄を歌うシーンがふんだんにあり、歌がこの映画の中でとても重要な役割を果たしています。時折、字幕が出るほど標準語とはかけ離れた島の方言や、繊細な歌い回しの節を持つ奄美島唄。満島さんもかなり勉強されたんだろうなと思います。昔から歌い継がれてきた島唄には、その土地の背景と、そこで暮らしてきた人々の日常、そこにある想いが込められています。島唄にはもちろん男性が歌う労働歌のようなものもありますが、劇中には女性目線の島唄が多く歌われています。母親が子供や愛する人のことを想って歌ったものや、報われない恋の切なさを歌ったものなど、それらはおそらく鼻歌のようにさりげない場面で女性たちが歌い継いできたものだと思うけれど、そこから深い感情が滲んできます。おばあちゃんや、お母さんが歌ってきた島唄を、また娘が歌い継ぐなんてことを繰り返してきた歴史を思うと感慨深いものがあります。

『海辺の生と死』というタイトルの通り、豊かな自然とそこに暮らす人々の温かで愛に満ちた「生」と、その全てが一瞬にして踏みにじられて奪われてしまう「死」が、すぐそばに隣り合わせで描かれている今作。人と人とを繋ぎ、心を穏やかにし、そして明日に祈るような島唄が、生と死の真ん中で清らかに鳴っている。

愛する男が出撃してしまうかもしれないという夜の、トエの激情を見事に演じきった満島ひかりさん。死を目前にした自らの不安など表に出さず、トエを全身で受け止めるような穏やかさと頼もしさで演じきった永山絢斗さん。ふたりのコントラストがまさにひとつの確固たる愛の形に思えてとても素敵でした。

 

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