愛されジョーズ

music writer 上野三樹

子供ゴコロと防犯カメラ。

今日の夕方のこと。幼稚園にカメ美を迎えに行くと、延長保育の先生がわざわざ内線で職員室から主任の先生を呼び出してきた。何事かと思いきや、やってきた主任の先生はこう言った。「今日、同じクラスのRちゃんがいたずらをして砂場にカメ美ちゃんとSくんの連絡帳を埋めてしまったんです……。Rちゃんはみんなのカバンが置いてある場所から誰のものとも気にせずに取り出して持って行っちゃったみたいで。別の男の子が砂場で発見してくれたので、防犯カメラで確認したところRちゃんが隠していたことがわかり、これはやっちゃいけないことだよと叱りました」と。

Rちゃんはいつもカメ美とサッカーチームでタッグを組んでいる活発な感じの女の子で、私にとってはそのいたずらの様子をイメージすると何だか笑っちゃうくらいの出来事だった。でも主任の先生はすごく丁寧にこの事件の顛末を説明してくれて、恐らく砂にまみれたであろう連絡帳も「綺麗にしておきましたので!本当にすみません」と謝っていた。「大丈夫ですよー」なんて言いながら帰宅しつつ、事件そのものよりも防犯カメラで確認したってサラッと言ったけど結構すごいことだよなー、今の子供たちって幼稚園でいたずらしてもすぐ発覚しちゃうんだなーと思った。

帰宅してカメ美に詳しく話を聞いてみると、サッカーをしている途中に担任の先生が来てカメ美とSくんを呼び出し「ふたりで砂場で遊んだ?」とまず聞かれたという。彼らはもちろん砂場で遊んでいないし、もちろん自分たちで連絡帳をそこに埋めるなんてことはしていない。「だったら誰が?」ということで防犯カメラによる特定が行われたんだと思う。もしかしたら第一発見者である別の男の子が犯人だと思われる可能性もあっただろうし、ましてや園児を全員集合させて問い詰めるなんてことよりも効率はいいのだろう。

ただ大事なのは、砂場に友達の連絡帳を隠そう!と思いつき、実際に行動した女の子がどんな気持ちでやったかを考えることじゃないかなと思った。カメ美はこの件について「Rちゃんはたぶんね、こんなことしたの初めてだと思うよ。だからね、もう許したんだー」と言っていた。私も思うに、最初はすごく楽しかったんじゃないかなと。そんな話をしているとRちゃんのママから電話がかかってきて猛烈に謝罪された。Rちゃんのママもやっぱり「やった後で大変なことをしてしまったと気づいたようです」と言っていた。事故や犯罪者などの特定に便利な防犯カメラだけど、幼稚園の中にいる子供の気持ちまでは映像に映らない。幼稚園の先生方がしてくれる対処にはいつも感謝しているけど、親としても頭ごなしに「これは悪いこと!」と切り捨てないで、ちゃんと考えて、ちゃんと話して、イメージしてみることって大事だなと思う。白黒つけるのに厳しすぎる世の中で生きていく子どもたちにこそ、何かあったときにはゆっくりと向き合って見守っていきたいなと思ったプチ事件でした。