愛されジョーズ

music writer 上野三樹

幼稚園という世界の入り口に立っている。

本当に玄関で挨拶するだけの家庭訪問が無事に終わり、とりあえず制服に名前を書いて着せて幼稚園の入園式。8時半に登園させてもお迎えは11時半という午前保育が続く中、原稿を書いたり、保護者会なるものに初参加したりして慌ただしく日々が過ぎていく。桜も、もうすぐ満開かな〜?と思ってたら、もう散ってる!っていう。どんなに寝不足だろうと疲れていようと、こんな日のことも10日もすれば忘れちゃうんだろうな、なんて考えるのはネガティヴだからやめよう(笑)。

入園式でそこそこ分厚いファイルを全員に渡され、中には年間スケジュールや提出書類や絵本の定期購読の案内などがびっしり詰まっていた。ひとつひとつ目を通すだけでもなかなか時間を取られるけれど、制服で登園する日と体操着で登園する日が細かく別れていたり、ソックスも白と紺で履く日が決まっていたり、色んな書類ごとに締め切りが違っていたりするので、注意深く1日1日をクリアしていかないといけない。そのファイルの中にあった情報の中で一番ショックを受けたのが年間スケジュールと、預かり保育の実態。もう既に来年3月までのカレンダーが渡されているわけだけど、行事の代休や記念日のお休み、園の研修による休園、そのまた代休など、祝日でもない平日にバンバン休みが制定されている。これは保育園ではあり得なかったことだ。保育園と幼稚園の違い。それは、厚生労働省文部科学省という管轄の違いや保育時間をどう過ごすかの内容の違いもあるけど、一番大きいのは、保育園は仕事を持っている親の都合が主体だったとしたならば、幼稚園は幼稚園の都合で物事が進んでいくこと。(もちろんそれぞれの保育園・幼稚園でそれぞれなんだろうしある程度は覚悟してたけど!)私はこの違いにいよいよ直面し、幼稚園という世界の入り口で立ち尽くしています。だって入園前は「夏休みもうちは預かり保育を朝から夕方までやってますから!」って言ってたのに、カレンダーを見てみると朝から夕方まで預かってくれるのは平日22日のうち、たったの7日間だけだった。あとは午前保育とか休園。これ、どうしようね。私が全く仕事をしなくていいなら良いけどそうもいかないので、どこかで時間の帳尻を合わせるしかなさそう。3時間だけ誰にも邪魔されずに仕事ができる酸素カプセルとか欲しい。

あと、保育園ではこれまで毎日、連絡帳に「家での様子」と体温を書いていましたが、幼稚園ではこれがない。連絡帳はあるけど登園したら毎日カレンダーにシールを貼るだけの簡単なものになった。保育園時代は夜ご飯と朝ご飯に何を食べたかも記入してきたので、一応メニューなども先生に見られるという意識で気にしてきたんですけど。これがないんですね。そういうところも本当に、これは今まで以上に親の責任というか、子供の毎日の変化をしっかりと見てあげないとなと心が小さく震えます。

でも子供を保育園ではなく幼稚園に入れること、この3年間を大事に子供と向き合おうっていうのは自分で決めたこと。何が起こるかまだまだ未知の世界だけど、足を踏み出してみようと思います。がんばってるのは子供だもん。あと、新しい環境にスムーズに子供が入って行けるようにと昨年度1年間かけてプレ(幼稚園で未就園児が月1回集まって遊んだりする教室)に通わせましたが、やっぱりいざ入園してみるとそれとこれとは訳が違うようで、朝は「幼稚園行きたくなーい!」を発症しております。まあすぐに慣れると思うんだけど。