愛されジョーズ

music writer 上野三樹

世界遺産とルーツを辿る旅。その③いざ宮島へ編

広島のお祭り・とうかさんの狂騒の中、ようやく眠りに着いた次の日の朝。ホテルで娘と朝食バイキング(広島お好み焼きと沖縄そばがあって嬉しかった!)の後、チェックアウト。前日の夜に坂本真綾さんのリハーサルで現地入りしたスタッフの方から「夜は冷えますので厚手の上着を持ってきてくださいね」というメールをいただいていたので、近くのユニクロに朝イチで行こうかなと思っていたけど、母より「上着用意したから」の報せが届く。

博多から新幹線で出発した両親と広島駅で合流し、電車で宮島口を目指す。久しぶりに孫に会えて両親も嬉しそう。電車を降りたら宮島口では更に義母も合流して全員勢ぞろいでフェリーに乗り込みます。と、その前に忘れちゃいけないのが腹ごしらえ。宮島名物と言えば、あなご飯だそうで、行列のできる有名店に一時間前から義母が並んでいてくれて、私たちはほぼ並ばずに入店することができました(ありがとうございます!)。鰻の美味しい店は行ったことありますが穴子の美味しい店は初めてです。タレにあまり頼らない感じのシンプルさと、穴子の香ばしい焼き加減が、忘れられない美味しさでした。

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「うえの」という名の有名店。 

そしていざ、宮島行きのフェリーで出発。宮島までは10分ほどで到着なのですが、だんだん変わってゆく緑の濃い景色、海に浮かぶ朱色の鳥居が見えてくると、やっぱりテンションが上がります。

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宮島に着くと、凄まじく人懐こい野生のシカの歓迎に驚きつつ。宿のチェックインには早いのですが、この日に宿泊する宿の車が迎えに来てくれて宮島水族館へと連れて行ってくれました。大きな荷物だけそのままお宿へ運んでくれて、とっても親切です。宮島水族館は規模としてはこじんまりですがのんびりした雰囲気で子連れには最適。私としても、ばあば×2、じいじ×1が一緒ですのでめっちゃ楽!!まあ、じいじは戦力にあまりならないのですが(笑)。ちなみに、この水族館はチンアナゴとスナメリが人気のようです。すんごい適当に見て回ってたので、ちゃんと見れば良かったですね、はい。わたしは、スナメリというのがどういう動物なのかも知らなかったのです。

そこから少し歩いて、もみじ饅頭のお店へ。岩村もみじ屋さんは店頭で焼き立てホカホカのもみじ饅頭を食べさせてくれるお店です。お土産用も広島駅などには売ってなくて、ここでしか買えないということで余計に美味しいような気がしてきます。冷たいお茶もセルフサービス。娘が張り切って、みんなにお茶を配ってくれました。

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食べ終わり、さあ宿に向かうかという時に、先ほど迎えに来てくれた宿の車がたまたま通りがかり、乗せてくれました。ラッキーです。運転手のおじさんと、うちの父は、既に以前から友達だったかのように親しげに話しています。

玄関入ってすぐのところに、足湯カフェが併設されている小さな宿。お部屋は広めの和室で、大きな窓からは海と厳島神社の鳥居が見える最高の眺めです。夕方になり、じいじとばあばに娘を託して、私はライブ会場である厳島神社に向かったのでした。(つづく)

 

☆ライブレポートはこちらに掲載されています。同じ内容なのですがサイトごとに個性あふれる見出しをつけていただきありがとうございます。

 

www.barks.jp

www.animatetimes.com

natalie.mu

 

世界遺産とルーツを辿る旅。その②岡山&とうかさん編

いよいよやってきた6月2日、世界遺産とルーツを辿る旅への出発です。家を出るのは朝8時半と、いつもの幼稚園への出発時間と同じなので「朝が早い!」という緊張感は特になかったのだけれど、ベビーカー&大荷物&娘を連れて通勤ラッシュの中、品川へ向かうというのがまず最初の大仕事。いつもの最寄り駅からひとつ下りの駅の方が比較的空いているという情報をご近所のママから得て、自宅から駅までまずはタクシーに乗ることにしました。玄関で旦那に見送ってもらい、タクシーに乗り込んでいざ出発というギリギリの時になって娘が「赤ちゃんマンとナガネギマンも一緒に行きたい!」と言い出す。急遽、旦那に電話してアンパンマンのキャラクターをいくつか見繕ってもらい、マンションの下まで持ってきてもらった。(ちなみに、この①タクシーで行ったこと、と②旦那に見送ってもらったこと、が後に大きなミス発覚に繋がるのです……)

割とスムーズに、時間も予想通りに品川駅に到着し新幹線で岡山を目指す。何時発の何便、何号車のどこに乗ったかを義母に伝えておき、義母は新神戸から車内で合流。娘は新神戸到着時、すっかりお昼寝タイムだったので起きたら“ばあば”がいたことにびっくりした様子。後で「何で“ばあば”は新幹線から急に出てきたの〜?」と聞いていました(笑)。

岡山に到着すると、駅前に早速、ももたろうの銅像を発見。キジや猿や犬の他、たっくさんの鳩をお供に連れたももたろうと娘で記念撮影。駅からタクシーで10分ほど走ったところに、旦那の父上のお墓がありました。岡山の町はとてものどかで静かで、誰もいないお寺で義母と手を合わせてきました。お参りが済むと娘は無邪気にお寺の周りで走ったり飛んだりしていたので元気な姿を見てもらえたのなら良かったなと。私たち家族がいつかは還る場所なんだな、いいところだなと思いました。

まだ日差しが強い昼下がり、再び岡山から新幹線に乗り、広島へ。広島までは乗車30分ほどなので、あっという間です。八丁堀にあるホテルにチェックインすると、とうかさんというお祭りがこの日から始まるとのことで、町は既に賑わい始めていました。別名を浴衣祭りと言うそうで、日が落ちる前から浴衣姿の若い女の子たちがいっぱい。中には真っ赤な生地で広島カープの柄の方も。後ろには「ARAI」とユニフォーム風に書かれた粋な浴衣です。これも広島ならではの光景。娘も大好きなスーパーボールすくいなどをしたり、盆踊りのやぐらの周りをお散歩したりして満喫。今日は疲れているので早めに夕食をとってホテルで休もうということになり、お好み焼き「みっちゃん」へ。食後、店を出るとお祭りの賑わいは更なる激しさを増しており、大混雑の中、再びホテルへ。この期間にとうかさんが行われていることは調べて把握していたのですが、まさか予約したホテルが、お祭りの中心地ドンズバなところにあるとは露知らず。18時には夕食を終えて、19時には娘の入浴も済ませて、部屋でのんびりし始めたのですが、その頃、ちょうど祭りが本格的に盛り上がり始める。盆踊り会場があまりにも近すぎて、祭りの音が寝るには適さない音量でホテルの部屋中に響いてきました。しかも、ドドンガドン的な和風のビートならまだ、まだ耐えれるのですが、ドンッドンッドンッドンッ的な4つ打ち系から、サンバですか?トランスですか?って感じのビート、もしかして生でライヴやってます?って感じの臨場感溢れるサウンドまで、見えはしないので確認できないのですがとにかく大騒ぎでした。ホテルに居るのに祭りの渦中。子供がいなければちょっと覗きに行ってやろうとか思うところですが、とにかく耐えるしかないので、あえてテレビの音量を上げて何とか祭りの騒ぎをかき消そうとするぐらいしかできないまま。「いつまで続くんだろう……」という不安が募り続け、ようやくその音が止まったのは21時半でした。京都音楽博覧会でも、音止めもっと早いよ……。皆さん、とうかさんの開催中は広島ワシ◯◯◯ホテルには宿泊しないほうがいいですよ。お祭りを夜遅くまで楽しみたい!というような人はいいんだろうけど。早めに休んで疲れを取る作戦は大失敗でした。(つづく)

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世界遺産とルーツを辿る旅。その①きっかけ編

6月3日に広島・嚴島神社で行われた坂本真綾さんの世界遺産ライブに行ってきました。「ライブレポを書いてくださいませんか?」というお誘いをスタッフの方からいただいたのはすごく早い段階で、確か3月頃のことでした。私は普段は娘がまだ小さいのでライブにはあまりお伺いすることはできないのですが、今回は東京ではない地方開催のライブにお呼ばれしていただいたので、福岡で暮らす両親に相談してみたところ即答で「広島?一緒に行くよ!子守するよ!」と言ってくれたので、思い切って子連れで行くことにしました。そして旦那のお母さんにも「両親と一緒に子連れ出張で広島に行くんですよ」という話をすると「広島?私も行きたい!」ということになり、急遽、私と娘と両親と義母の5人旅になったのでした。

うちの父は広島の生まれで、1945年7月16日に生まれて8月6日に被爆しています。会社を定年退職した今、いつか広島に行って被曝手帳に記されている生誕の地を訪れてみたいと思っていたそうです。一方、義母も広島出身で自身の学生時代などを長く過ごしており宮島口に近い場所にご親戚も住んでらっしゃるし、この際だから岡山で途中下車して旦那の父上のお墓参りもしましょう、とご提案いただきました。旦那の父上は私が結婚した際には既に亡くなられていたのでお会いしたこともなく、娘を連れて初めてのお墓参り。とても良い機会です。

というわけで出張仕事の他に重要ミッション盛りだくさんとなった今回の旅。6月3日は岡山でお墓参り〜広島市内に宿泊。6月4日は広島市内から宮島へ移動してライブ。6月5日は宮島から再び広島市内へ移動して父の生誕の地を訪れる、という2泊3日の行程が組まれました。人数も多いし、しかも割と高齢ぎみな人たちと3歳児もいるので、しっかり計画を立ててみんなで流れを共有せねばと当日までに交通ルートや美味しいお店を調べたり宿を予約したりして行程表を慎重に作成して挑む、世界遺産とルーツを辿る旅が、いよいよ始まりました。(続く)

 

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衝撃の体操参観。

5月はゴールデンウィークで休んだしわ寄せが一気に月末の取材&締め切りラッシュを生むことはいつものことながら。それに加えて何だかんだで幼稚園に呼び出される行事が盛りだくさんの日々でした。炎天下のもとでの避難訓練が終わり、お次は芝生の上で体操参観。娘の幼稚園はスポーツクラブの先生が来てくれる体操の時間が毎週あり、それを1クラスずつの交代で30分ほど親が参観します。

1周50メートルほどある園庭を全力で走ることや、ストレッチはもちろん、背の順に並ぶことや、前にならえをすることも、まだまだ覚えたての年少さんたち。何をするのもとっても楽しそうです。

まずは男の子からトラック1周。それぞれの個性はあるものの、みんな全力で走り、1番になった子は先生に名前を呼ばれて「高い高〜い!」してもらって嬉しそう。そしていざ、女の子の番。親たちは少し離れた場所から各自カメラを構えて見ているのですが、私も同じようにカメラを動画にセッティングしているうちに、「よーい、スタート!」の合図で女の子たちが一斉に走り出しました。娘がどこにいるかわからないまま、走る子供たちをモニター越しに追います。ひとつ、ふたつ、みっつと子供たちがコーナーを曲がり、まだ娘の姿が見つからないので、ゴールの瞬間をしっかり収めようと、そちらにレンズを向けます。ひとり、ふたり、さんにん、とゴールしていきますが、まだまだ娘は走ってきません。あれ、と思った瞬間、「○○ちゃんも、頑張ってるからみんな応援してあげてー!」と体操の先生。見ると、遥か後ろの方から担任の先生に手を引かれながら顔をくしゃくしゃにして泣きながら走る‥‥うちの娘(笑)。どうやら、かなりの序盤、ひとつめのコーナーあたりで既に転んでいたようです。まさに号泣を絵に描いたような姿でなんとかゴールし、1番の子の「高い高〜い!」の後、「じゃあ(娘)ちゃんもがんばったから、高い高〜い!」と、オマケでしてもらい、ベソかきながらも嬉しそう。

男の子の2周目レースが終わり、女の子の2周目レース。今度こそ転ばずに走ってくれー!と願いつつ、もうカメラを構えるのは止めてじっくり見ていたら、走ってはいるものの何だか遅い。まだ半周しか走ってないのに他の子たちがゴールし始めたことに気づくやいなや、クルッと90度体の向きを変え、トラックを半分に横切って走るという手段でゴール!隣のお母さんも「すんごいショートカットしましたね!」とびっくり。そして先生の「1番早かったお友達は誰かな〜?」の問いにドヤ顔で胸張ってアピール。どうやらまた「高い高〜い!」して欲しくて気持ちだけが先走っちゃった様です。

それからストレッチ&壁を使っての逆立ちです。先生が「では最初に、向こうの壁まで先生と行って、『みんな集まれー!』をしてくれるお友達はいるかな?」と言うと1番乗りで「はいっ!はいっ!」と猛烈アピールする女の子。ええ、うちの娘です。「カッコ良く体操座りができてる子にやってもらおうかなー?」と先生が言ってるのに立ち上がり、「はいっ!はいっ!」。先生の真正面まで歩いて進み、「(娘)ちゃん、体操座りカッコ良くできるから!」と更に主張。「えっ、立ってるじゃん(笑)」と戸惑いつつ先生も根負けして⁈「じゃあ、お願いします!」。もうひとりの男の子とふたりで、園庭の壁まで走り、両手を広げて「みんな集まれー‼︎」。するとクラスのみんなが一斉に走り出す。よく見ると、しっかり両手を広げた娘を目がけて、ひとりの男の子がダッシュで走り寄り、そのままギューッとハグ。それを娘は全力で受け止めていました。その後も得意げにストレッチのポーズを決めていた娘でしたが友達とぶつかり再び号泣して担任になぐさめられながら体操参観終了。エモすぎ。

何だか色んな意味で、娘やるなーと、思い知った衝撃の体操参観でした。入園早々に園長先生が娘のことを「とても積極的なので園全体で目立ってます」と言っていたのがよくわかりました。ははは(汗)。

旦那に動画などを見せると「これは俺の血じゃない!俺の血じゃない!」と、のたまう。私の血なのでしょうか⁈ でも、張り切るわりにドジる、というのは身に覚えがあります(笑)。そんなとこ似てもアドバイスできないから!

今日は江古田。

最近は取材と締め切りがみっちり詰まっていて、あっという間の毎日。今日は江古田で月に一度の音大取材。もう東京と近辺の音大はほとんど行き尽くしてるけど、いつも思うのは音大のキャンパスって健全な活気が満ちている感じで清々しい気持ちになります。

今月は、某音楽番組の取材で現役高校生の作曲家でありジャズピアニストの奥田弦さんに会えたり、ずっとお会いしたかったピアニストの反田恭平さんや、これまたずっとお会いしたかったお笑いの横澤夏子さんとか、色んな方に取材させていただきました。

娘もようやく幼稚園に慣れてきて楽しんでいる様子(安定感が増した‥‥!)。延長保育時間も長いので、同じ年少さんの他のクラスの子や、お兄さんお姉さんのお友達もできたみたいで、帰宅途中に私は知らない子が「ばいばーい!」と声をかけてくれたり。顔広いじゃん、と思うこともしばしば。

「いっぱいお友達できたんだね」と娘に言うと、「そう!」と誇らしげに続けた一言。

「全員、家族!!」

いいですね。

人類みな兄弟、みたいなスケール感。

朝5時起きの結末。

熱海から東京に戻った夕方、そのままスーパーに直行してお弁当作りのためのお買い物。翌日は幼稚園で初めての親子遠足というなかなかハードなスケジュールです。

朝5時に起きて、お弁当作りを開始。今回はクックパッドで見たパンダちゃんのおにぎりと、ミニハンバーグと、娘の好きな枝豆入りの卵焼きにした。あとは隙間にミニトマトやかぼちゃを適当に。

お弁当が完成して朝食を用意して、うちは朝食は基本的にパンなんだけど、旦那には残りの枝豆入りの卵焼きも出した。家族で黙々と朝食をとりつつそろそろ切り上げて出発の準備しなきゃって時に、ふと私も枝豆入りの卵焼きをつまんでみた。すると、これがもう信じられないくらい激マズなのである。すんごいしょっぱくて一切れ食べられないレベル。先に食べてた旦那に「激マズじゃん!何で言わないの?」と問い詰めるも「そうなんだよね〜」くらいの反応。もう娘のお弁当にも詰めて完成しちゃってたので「今から作り直しても間に合わないよ〜!」と嘆いていると旦那が卵焼きを作り直してくれるという。マジか。「じゃあよろしく!」と娘を着替えさせたり他の持ち物をリュックに詰めたりしてバタバタと準備をしていると、キッチンから「ウエッ!何だこれ!」という叫び声が聞こえた。見ると旦那がボールの中でかき混ぜた卵液を菜箸で味見していたところ。その後すぐさま「さとう」とテプラで表示された調味料入れの中身を舐めて「これ塩じゃん!」。私は「え……」と一瞬、頭が真っ白になるほどの衝撃を受けつつ、そういえばと思い、先日「さとう」の中に足した袋の残りを戸棚から取り出して確認してみると完全に「伯方の塩」だった。

最初の卵焼き、卵3つに牛乳大さじ1.5、砂糖大さじ1.5、塩小さじ3分の1を入れたつもりが。砂糖じゃなくて塩大さじ1.5を入れた上に更に塩を小さじ3分の1入れていた。そりゃあしょっぱいわーーーー。旦那も更に卵3つを使って塩を入れまくって失敗してしまい、残るは1個だけになってしまった卵。絶望的状況の中、最後の卵をかきまぜ調味料入れに少しだけ残っていた「きびざとう」をかすり取って卵焼きを完成させてもらい、最初の激マズ卵焼きと差し替えてもらった。お陰で何とか娘にほんのり甘い卵焼き入りのお弁当を食べさせることができたけど、朝からバタバタした〜!

ちなみに調味料入れはOXOのポップコンテナ、レクタングルミニを使ってます。テプラで「さとう」「しお」「かたくりこ」「きびざとう」などと表示してキッチンの引き出しに並べて入れて使うととっても便利。調味料入れは何ひとつ悪くありません。卵さんたちも本当に本当にごめんなさい。私がスーパーで真っ先に買うべきはお砂糖だったようです。

 

 

星野リゾート 界 熱海。

今回の熱海旅行の主な目的はふたつ。ずっと行きたかった星のやさんの旅館に泊まることと、子供と一緒に大きな花火を見ること。「界」は星野リゾートの中でも「地域の魅力を再発見、心地よい和にこだわった上質な温泉旅館」をコンセプトにしているそうで熱海の他にも津軽、川治、鬼怒川、日光、アルプス、松本、加賀、箱根、アンジン、伊東、遠州、出雲、阿蘇があるそうです。そして、もう66年の歴史があるという熱海海上花火大会は今年も十数回開催されるということで今回はその日に合わせて宿泊予約をしました。

熱海って品川から新幹線で36分で到着してしまうんですね、うっかり寝ちゃわないようにしないといけません。熱海駅からタクシー5分で宿に着くと、静かな森のなかに宿が立ってる感じの雰囲気で、入口付近の屋根にはとても立派な日本猿がお出迎えしてくれました。お猿さん、かなり近いところにいたのでびっくりしました。

ここの旅館のスタッフさんは皆若くて溌剌とした感じの方が多く、到着したらベビーカーなんかもサッと運んでくれて、温かな間接照明がともるフロントで梅の実のはいったドリンクを出してくださいました。もともとは蓬莱という江戸時代から続く旅館だったところをリノベーションして生まれ変わったのが「界 熱海」ということで、細い廊下や長い階段、シンプルな和室など落ち着いた風情がありました。私はどこかに泊まると、まずは洗面台にいってアメニティをチェックするくせがあるのですが、「界 熱海」のアメニティは男性・女性それぞれにオリジナルの風呂敷で包んであるのが個人的にはポイント高かったです。大浴場に移動される際にお使いいただき、よろしければお持ち帰りください、ということでした。娘の幼稚園では体操着を毎日、風呂敷に入れて持たせる決まりになっているので、最近、風呂敷には馴染みがあったこともあり、後で使えるしで嬉しいおもてなし。浴衣を風呂敷に包んで温泉へ。建築家の隈研吾さんが設計されたという露天風呂も良かったのですが、お風呂の後に休憩しながらちょっとしたドリンクや甘いものを出してくれる空中湯上がり処「青梅テラス」がいい感じ。切り立った崖のような斜面に大胆に作られているので「空中」みたいな雰囲気を味わえるのです。ソファでくつろいで(あいにくの雨でしたが)海が見える景色を眺めながら一息つけました。

その後はお部屋で夕食。つい口から出てしまう語彙力なさすぎな一言は「何食べても美味しいね」。大きなお皿に7種類のお造りが乗っていて、鯵は納豆醤油、伊勢海老は塩レモン、太刀魚は練り梅……という感じでそれぞれに味付けをしてあったりと、とても丁寧で繊細なお料理でした。特に金目鯛につけて食べた戸田塩が美味しかったです。戸田塩って一週間、クラシック音楽を聴かせながら寝かせることでまろやかに味わい深くなるそうです。へえー!お椀の中に透明なおだしと桜餅がドーンと入った「桜餅の海老射込み」なんて珍しいものも。メインの「金目鯛の八香蒸し」は和風のブイヤベースみたいな感じ。子供用のお料理も旅館ならではの凝ったお味や見た目の美しさもありつつ、ところどころにコーンやからあげやじゃがいも、フルーツなど子供の好きなものが散りばめられていて娘も楽しんで食べていました。

「熱海の花火は雨に降られたことがほとんどないんです。降っている日でも、その時間だけやんだりするんですよ」と旅館の方がおっしゃっていましたが、朝から降っていた雨が夕方には本当にやんで、花火大会へ出発。旅館から大型バスで会場まで連れて行ってくださいます。ひとりずつ簡易チェアも貸し出してくれるのもありがたい。娘は生まれて初めて近くで見た大きな花火に、びっくりしながらもずっと集中して見ていました。私もここ20年近く、花火と言えばROCK IN JAPANの会場でバタバタ移動しながら見るくらいだったので、じっくり堪能しました。観光のおまけ的にちょっと催されてる感じなのかなと思いきや、かなり本気の花火大会です。東京で子連れで夏の花火大会に挑むのはかなりハードルが高くてできないので、こういう機会に見せてあげれて良かったです。

星野リゾートは熱海にもうひとつ「リゾナーレ熱海」というリゾートホテルもあって、キッズルームやクライミングウォールなどもあり、そちらも子連れ人気が高いようです。日本全国、海外ではタヒチやバリにもあるという星のやさんの宿泊施設、場所ごとに色んな地域の特色があって面白そうなのでまだまだ行ってみたいです。しかし旦那に「そんな予算ありません!」と言われましたのでお部屋に置いてあった「星野リゾート 施設のご案内」と書かれた素敵な小冊子を、しばらく眺めていようと思います。今回は裏テーマで私の誕生日や結婚記念日のお祝いも兼ねているようでしたので、また何年後か?いつの日か行けたらいいですな。

ちなみに若い女性スタッフの方に「熱海の地元の方なんですか?」と尋ねてみると「いいえ、縁もゆかりもございません」ということでした。星野リゾートの社員さんは全国色んな宿泊施設に希望を出せば異動できたりするそうで、彼女はもう熱海が8ヶ所目とか言ってたかな。場所によってはその地方の方言で接客をしたりするそうです。面白そう。娘に「大きくなったら星のやさんに就職して、色んなところで働きながら暮しなよ。ママ、泊まりに行くから」という提案をしてみました。親って勝手だね!

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