こどもの日に『よつばと!』の話。
今日は旅先から地元に帰ってきた電車の駅のホームで、カメ美が黒い小石を拾って見せてくれた。
「ここは道じゃないのに、石が落ちてたんだね」
と言うと、ちょっと嬉しそう。
試しに「宇宙人の石じゃない?」と言ってみる(超テキトー!笑)。
「そんなわけないよー」と笑うカメ美に更に続けて「宇宙人の子供がその石の中で暮らしてるから、宇宙人のお母さんが取りに来るよ」と言うと。
一瞬、「えっ⁉︎」という顔をして少し考え、駅を出たところで「ここに置いていく」と小石を道に戻していました。
ああ、いつまでこんな素敵な心でいてくれるんだろう。
母はついつい悪ノリして、宇宙人の母さんになりきって「コドモヲ、カエシナサイ」とか言っちゃうよ。
最近、『よつばと!』の新刊が出ました。
自分が育児をする前から子供の素敵な感性を、その面白さを教えてもらったマンガです。
5才のよつばちゃんは、お父さんとふたり暮らし。
部屋は散らかってるかもしれない、夕飯はスーパーで買ってきたお寿司かもしれない、サッポロ一番丼、かもしれない。でも、そんなことは全く気にしない。
とにかく周りの大人が、よつばちゃんのことを愛し、尊重している。
彼女がどんな風に今、世界を楽しもうとしているのかを、しっかりとイメージして受け止める。そして一緒に楽しむ。
『よつばと!』は子供である主人公の面白さだけでなく、周りの大人たちの目線も書き込まれているから心に響くところがある。
14巻ではプリンセスになりたいよつばが取ったある行動を、父は雑な反応しかできなかったけど、近所に住む女子大生あさぎが瞬時に全てを読み取ってあげるシーンとか、良かったなあ。
よつばちゃんがとにかくかわいい、はもちろん。
お母さんがいない、というのはよつばちゃんにとって、というかこの作品におけるうっすらとした欠落なんだけど。そうしたある意味危うい設定の上で繰り広げられる、カラフルな日常の奇想天外な面白さや、切なさや優しさが、このマンガの好きなところです。